『美人の日本語』が生まれるまで…(その5/7)


第23歩
◆校正 その3


 「茅窓漫録(ちそうまんろく)」の誤りまで発見してしまうほどの、丁寧な校正。
 
 『栞』の問題の部分は、削除して、別の内容に書き直しました。
 
 また、古文の表記、漢文の読み下し分の表記に関しても、細かいチェックが
 はいりました。
 
 メルマガでは、
 
 〜願はくは 花のもとにて 春死なむ その如月の 望月のころ〜
 
 と書いた西行の和歌も・・・。


第24歩
◆校正 その4
 
 この和歌は、本当にいろいろな和歌集に載っている上、古来、多くの人が、
 引用してきている和歌です。
 その表記は、それぞれ、まちまちでした。
 
 「花のもとにて」「花の下にて」「花のしたにて」・・・
 
 「きさらぎの」「二月の」「着更衣の」・・・
 
 私は、自分に一番しっくりくる表記で書いていたのですが、何らかの文献に
 従った方がいいということになりました。
 
 半分意地になって、メルマガに書いたものと同じ表記で書かれている文献は
 ないか、探しまわりました。
 
 結局、ぴたり一致するものは見当たらず、
 
 〜願はくは 花の下にて 春死なん その二月(きさらぎ)の 望月のころ〜
 
 という、明治書院の「和歌文学大系」の表記に従いました。


第25歩
◆深夜のファックス

 
 最初のうちは、送られてきた原稿に手を入れて、また宅急便で送り返すという
 ことを、繰り返していました。
 
 が、それもだんだん追いつかなくなり、電話とファックスを使うようになりました。
 
 夜に作業をする私にとっては、24時間ファックスOKというのは、本当に大助か
 りでした。
 だいたい、いつも、午前3〜4時頃、送っていたと思います。
 
 両親は、その度に目が覚めたそうです。
 それでも、文句を言うどころか、私の身体を心配してくれました。


第26歩
◆再校


 無事、ゲラを戻すことができ、再校が送られてきました。
 
 なんと、全部11行にきちんとそろえたはずなのに、10行の箇所がたくさんあり
 ます。
 ワードと印刷のフォントの違いで、出来てからでないと、わからないのだそう
 です。
 句読点やかっこが削除されて、短くなっているところもあります。
 
 ここにきての1行は、かなりきついものがありました。
 それに、読んでいるうちに、変えたくなってきます。
 
 でも、今回は3日で、送り返さなくてはいけません。


第27歩
◆再々校


 再校もなんとか間に合わせて、2月11日に、送り返すことができたのですが、
 訂正箇所がかなりあったので、もう一度、ゲラをとることになりました。
 
 はじめの予定では、2月3週目に校了、3月9日には、書店に搬入ということ
 でした。
 それを、一週間ずらして、3月17日搬入ということになりました。
 
 思えば、1月中旬の予定だったのが、3月中旬。
 でも、本が4月始まりなので、もう、ずらすことはできません。
 
 再々校は、宅急便ではなく、変更分だけファックスで送り返すことになりまし
 た。


 -*-*-*-(つづく)-*-*-*-

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